盗難には気をつけているけど、それでも盗難被害にあう可能性はゼロではないよな・・・。万一の時のための対処法を知りたい。
盗難対象になりやすい人気車種のハイエースですが、このサイトではハイエースの盗難状況や盗難防止対策について色々紹介してきました。
防犯意識を高め防犯グッズを利用することで、盗難のリスクをグッと下げることが可能。
とは言うものの、不運にも車体が盗まれてしまった時に頼もしいのが盗難保険です。
ハイエースに乗るのなら万一の盗難被害時の車両代補填を考えておくのは必須です!
この記事では、盗難保険を確実に受給するために知っておくべきことを解説します。
「盗難保険」とは?
よく耳にする「盗難保険」という言葉。
「盗難保険」と言う名前の保険は厳密に言うと存在しません。
実際には車の購入時に加入する損害保険のオプションとして存在する「車両保険」のことを意味します。
そして「車両保険」を考える際には、盗難事故の状況と車両保険のしくみを知ることが重要です。
車両の盗難は自分にも起こりうる
下の表を見てください。
2000年代初頭と比べると盗難の認知件数は2017年で約5分の1の1万件(2018年は8,628件)まで減ってきました。
▶自動車車盗の認知・検挙件数・検挙人員の推移
これはイモビライザーの登場など車両の盗難対策技術が上がったことが一番大きいでしょう。
さらに注目すべきは検挙件数です。
盗難被害の認知件数が年々減る中、検挙件数はさほど変わっていませんが検挙率は50%を上回るようになってきました。
しかし見方をかえれば依然として50%弱が検挙されず泣き寝入りしているとも取れます。
ちょっとした不注意で愛車が盗まれる可能性があります。他人事ではないことを知ろう。
盗難にあいやすい車種
車両の盗難はどれでもというわけでなく、特に被害に逢いやすい人気車種が存在します。
人気の盗難対象車種は特に海外需要が多い車で、よって世界的に人気なトヨタの車種が狙われやすいです。
- ランドクルーザー(331件)
- プリウス(266件)
- レクサスLX(22件)
- アルファード(138件)
- クラウン(81件)
- ハイエース(78件)
- レクサスRX(58件)
- ベルファイア(41件)
- レクサスLS/ハリアー(36件)
ランドクルーザー、レクサス、プリウスを筆頭に、ハイエースも堂々の6位にランクインしています。
2021年はワースト10位までをトヨタが独占しているのはある意味すごいです。
盗難の現状については、下記記事でより詳しく解説していますので、チェックしてください。
車両盗難による損害補償される車両保険
「盗難保険」というのは「車両保険の対象の一つ」ということは前述しました。
具体的には盗難車両が見つからない場合に「全損」の扱いになり、車両保険金額の限度額が全額支払われるというしくみです。
反対に、車両が見つかった場合は盗難による損傷を修理代として車両保険で支払われます。
また全損扱いで保険金が支払われた後に車両が見つかった場合は、全額返金すれば車を返却してもらう事が可能です。
盗難された場合でも、車のローンは所有者負担だから車両保険は絶対必要。
車両保険の加入を強く勧めるのはこのためです。
盗難に逢った車両内の荷物の補償は?
車両の盗難被害に遭った場合でも、車内やトランクに積んでいた備品などの補償は一般的に対象外となります。
車内の備品代が返ってこないのはかなり痛い。これは知らない人も多いだろうから注意したいよね。
どうしても心配という人はオプション特約として車両保険に付帯すれば補償対象にすることは可能ですが、日ごろから貴重品などはハイエース内に置きっぱなしにしないよう心掛けたいところです。
等級への影響
自動者保険は一般的に、「ノンフリート等級制度」を採用していて、事故がない限り毎年等級が上がり保険料が安くなっていきます。
逆に事故などで自動車保険を利用すると翌年度に等級がダウン。
うちも物損を保険で賄ったから、等級が下がるな。。
更に下がった等級にあわせて「事故あり等級継続期間」というものが適用され、その期間は同じ等級の「無事故」よりも保険料が高くなります。
例えば、人身事故や物損事故など多くの事故は3等級ダウンですので、翌年から3年間の事故あり等級継続期間となります。
一般的に車両の盗難・落書き、台風による損害補償の場合、1等級ダウンで事故あり扱いになります。
等級についての原則をまとめると以下のとおり。
- 事故等で自動車保険を使用すると翌年度等級がダウン
- 「無事故」「事故あり」かで同等級でも保険料が異なる
- 3等級ダウンなら「事故あり」の等級が3年間継続
- 所有者に無過失な場合は1等級ダウンで「事故あり」1年間継続
車両保険をもらうための注意点とは?
備えとして大変心強い「車両保険」ですが、どんな状況でも補償が受けられるわけではないです。
保険適用外になってしまうパターンもあるんで事前に注意が必要です。
盗難が「無過失で偶然である」必要性あり
盗難の事故にあった場合も「無過失で偶然の盗難」である必要性があります。
つまり車両の保有者が盗難に合わないための最低限の行動を行なっていたことが条件になる、ということ。
最低限の盗難防止意識がないと補償されない、ということだね。
例えば、以下のような場合は支払われない可能性が高いです。
- キーを付けたまま駐車中に盗難にあった
- エンジンをかけたままの状態でコンビニで買物をしている間に盗難にあった
盗難被害に逢わない、また万一被害に遭った場合に保険金を受け取るためには、日頃から防犯グッズによる対策や防犯意識を高く持つことが重要。
ハンドルロックやOBDガードといったハイエースの盗難防止にはマストアイテムが存在するので、これらをぜひ活用すべきです。
また車両保険全般の補償は、以下のような状況では支払われないので要注意です。
※支払い不可の例
・地震・噴火・津波によって生じた損害
・契約者、契約車両の所有者または保険金を受取るべき方等の故意または重大な過失によって生じた損害
・契約者、契約車両の所有者または保険金を受取るべき方等の無免許運転、飲酒運転、麻薬等による運転により生じた損害
・契約車両に存在する欠陥、摩滅、腐しょく、さびその他自然消耗によって生じた損害
・故障損害
・取り外された部分品・付属品に生じた損害、定着されていない付属品の単独損害、法令により禁止されてい
・改造を行った部分品・付属品に生じた損害
・タイヤの単独損害(タイヤの盗難は除きます。)
ソニー損保
プランによる保証対象の差
保険会社によって様々なプランや特約があります。
保険料が安いプランは一見お得に見えますが、適用範囲が狭かったりするので、契約する保険会社のプランをしっかりと確認すべきです。
▶ソニー損保の場合(スクロール可能)
事故の種類 | エコノミー型 | 一般型 |
---|---|---|
他車との衝突・接触 | 〇(エコノミー型は相手車の登録番号等とその運転者または所有者が確認できた場合のみ補償) | 〇 |
落書き・いたずら | 〇 | 〇 |
盗難 | 〇 | 〇 |
飛来中または落下中の他物との衝突(飛び石など) | 〇 | 〇 |
台風・竜巻・洪水・高潮 | 〇 | 〇 |
火災 | 〇 | 〇 |
あて逃げ | ✕ | 〇 |
転覆・墜落 | ✕ | 〇 |
単独事故(電柱に衝突など) | ✕ | 〇 |
自転車との接触 | ✕ | 〇 |
地震 | ✕ | ✕ |
噴火 | ✕ | ✕ |
津波 | ✕ | ✕ |
▶チューリッヒの場合(スクロール可能)
事故の種類 | ワイドカバー型 | 限定カバー型 | 全損のみカバー型 |
---|---|---|---|
火災・爆発・盗難・台風・洪水・高潮 | 〇 | 〇 | 〇 |
他の車(原付自転車を含む)との衝突・接触で、相手の車およびその運転者または所有者が確認された場合 | 〇 | 〇 | 〇 |
他の車(原付自転車を含む)との衝突・接触で、相手の車およびその運転者または所有者が不明の場合(あて逃げなど) | 〇 | ― | 〇 |
車以外の物との衝突・接触(電柱やブロック屏に自分でぶつけた場合等など) | 〇 | ― | 〇 |
落書き・窓ガラス破損 | 〇 | 〇 | 〇 |
駐車中の車両損害(何者かにぶつけられていたが相手が不明の場合) | 〇 | ― | 〇 |
いたずら | 〇 | 〇 | 〇 |
分損の場合 | 〇 | 〇 | ― |
地震、噴火、それらによる津波 | ― | ― | ― |
ソニー損保は大きく分けて2種類、チューリッヒ保険は3種類に分かれています。
基本的に天災事変などはどのプランも保険対象外となりますが、それ以外の車両損害についてはプランにより対応範囲が異なります。
すべて対象にすれば間違いないけど、保険料が高額になってしまうので自分の中での妥協点を決めるべきです。
自分が最低限どこまでの補償が必要かしっかりと見極めましょう。
5万円~10万円の免責が発生する
免責とはいわゆる修理代の自己負担額のこと。
車両が盗難被害に遭い、見つからない(全損)の場合は免責金額は発生しないですが、車両が発見されて継続して乗る場合は、修理代などの損害額の一部を負担するのがほとんどです。
仮に免責金額を5万円の場合、修理代が100万円であればそのうちの5万円は自己負担、残り95万円が車両保険から支払われる形となります。
必ずしも全額免除になるわけではないのを知っておこう。
まとめ:保険適用を受けるには最低限の盗難防止措置をしていたかが鍵
以上「車両保険」による盗難の補填について説明しました。
加入しておくと便りになる「車両保険」ですが、支払いまでには保険会社による実態調査もあり、本当に所有者の過失がないか疑われる所から始まります。
その際は普段からの駐車場での車両の保管方法や、盗難遭遇時の状況や対応について詳しく聞かれますが、重要なのは防犯意識があったかどうか。
最後に盗難保険を確実にもらうためのおさらいです。
- 駐車場での車両の保管は適切だったか
- 普段から防犯意識があったかどうか
- 盗難防止のための最低限の措置(キーロックなど)をしていたか
普段から盗難を意識した行動を心がけましょう。
今回は以上になります。
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