最新の「RX100M7」が凄いのはわかるけど、買い替えるほど進化しているのかどうか知りたいわ。
ソニーのコンパクトデジカメ「RX100」シリーズの最新モデル「DSC-RX100M7」。
軽量小型ながら1.0型センサーを搭載しソニーのミラーレス一眼譲りの高性能を兼ね備えて更なる進化をしました。
でも既に「RX100」シリーズを持っている人が気になるのは買い替えの必要性。
そこで今回は「RX100M5A」を所持している私が「RX100M5A」から「RX100M7」の買い替えを考察します。
VLOG最強のコンデジ「RX100M7」
「RX100M7」は2019年8月30日に「RX100M6」から一年ぶりに発売された最新モデルで、外観は「RX100M5A」「RX100M6」とほぼ一緒です。
「RX100M5A」は、「RX100M6」より後に発売したモデルで、「RX100M5」の派生モデルとなります。
「RX100M7」のレンズと焦点距離は前モデル「RX100M6」と同じです。
どのあたりが進化したのか、「RX100M6」と「RX100M7」、そして私の所有している「RX100M5A」と各性能の違いを並べて比較してみます。
新型センサー搭載とα9譲りの超高速AF
「RX100M7」「RX100M6」「RX100M5A」3機種のスペックは以下になります。
▶RXシリーズ3機種のスペック比較
項目 | RX100M7 | RX100M6 | RX100M5A |
---|---|---|---|
発売日 | 2019年8月30日 | 2018年6月22日 | 2018年7月13日 |
センサー | 1.0型 CMOS(新型) | 1.0型 CMOS | 1.0型 CMOS |
画像処理エンジン | 新開発BIONZ X | BIONZ X | BIONZ X |
有効画素数 | 約2010万画素 | 約2010万画素 | 約2010万画素 |
EVF | 有機EL 235万ドット 電子ビューファインダー | 有機EL 235万ドット 電子ビューファインダー | 有機EL 235万ドット 電子ビューファインダー |
モニター可動域 | 上約180度、下約90度 | 上約180度、下約90度 | 上約180度、下約45度 |
ボディ内手振れ補正 | 4Kアクティブ可 | 4Kはスタンダードまで | 4Kはスタンダードまで |
最大ISO感度 | ISO100-12800(拡張64) | ISO125-12800 | ISO125-12800 |
AFエリア | 357点(位相差検出) 425点(コントラスト方式) | 315点(位相差検出) 25点(コントラスト検出) | 315点(位相差検出) 25点(コントラスト検出) |
AF速度 | 0.02秒 | 0.03秒 | 0.05秒 |
背面モニター | タッチパネル | タッチパネル | タッチパネル非対応 |
内臓フラッシュ | あり | あり | あり |
F値 | f2.8-4.5 | f2.8-4.5 | f1.8-2.8 |
焦点距離 | 24-200mm | 24-200mm | 24-70mm |
連続撮影撮影枚数 | 約260枚 / 約130分 | 約240枚 / 約120分 | 約220枚 / 約110分 |
連写性能 | 最高約20コマ/秒 (ブラックアウトフリー) | 最高約24コマ/秒 | 最高約24コマ/秒 |
瞳AF(静止画) | あり(左右選択可) | あり | あり |
動物瞳AF(静止画) | あり | なし | なし |
動画性能 | 4K30P | 4K30P | 4K30P |
動画瞳AF | あり | なし | なし |
リアルタイム トラッキング | 静止画・動画ともあり | なし | なし |
インターバル撮影 | 本機内で可能 | 本機内で不可 | 本機内で不可 |
ヘッドフォン端子 | あり | なし | なし |
ピクチャー プロファイル | PP1-PP10 (s-log2、s-log3) | PP1-PP10 (s-log2、s-log3) | PP1-PP7(S-log2) |
バッテリー | NP-BX1 | NP-BX1 | NP-BX1 |
重量 | 約302g | 約301g | 約299g |
価格 | 14万円前後 | 11万円前後 | 8万円から8.5万円前後 |
他の2機種と比べて「RX100M5A」は焦点距離が短いかわりにレンズはF1.8と明るいレンズを採用。
レンズについては「RX100M5A」の方が一枚上手だね。そのかわり焦点距離が200mmまで伸びたのは大きい。
対して「RX100M7」と「RX100M6」はレンズと焦点距離も同じでが、センサーやAF、動画性能が既存機種に比べてかなりアップグレードし、その分値段も高額になっています。
30分規制の撤廃で長時間動画の撮影が可能に
「RX100M7」は動画撮影時間の30分制限が無くなりました。
さらに「RX100M7」では「RX100M6」以前の機種にあった4K動画撮影の5分制限もなくなりました。
youtuberのドリキンさんが「RX100M7」での4K動画の撮影時間テストを行っていますが、本当にかなり長時間撮れるようです。
これはVLOGやYouTubeアップ用の自撮り動画を取る人にとっては嬉しい仕様です。
▶︎RX100M7の4K連続撮影検証(drikin)
4K撮影であってもバッテリーが無くなるかメモリーがいっぱいになるまで撮影できるようです。
「RX100M6」や「RX100M5A」ではかなり熱暴走が懸念されましたが嬉しい改善です。
手振れ補正機能が更に強力に
「RX100M5A」や「RX100M6」にも搭載されている手振れ補正機能にはスタンダード・アクティブ・インテリジェントアクティブの3種類があります。
「RX100M5A」や「RX100M6」では4Kでは使えなかったアクティブ手振れ補正が「RX100M7」では4K撮影時も使えるようになりました。
HD撮影の場合はどれもインテリジェントアクティブが使用可能ですので差はないですが、4K撮影を多用する方には「RX100M7」は重宝しそうです。
▶︎最強コンデジ「RX100M7」に備わる3種類の手ブレ補正を徹底比較!(タナベカズマサ)
4Kで撮影しておくと編集時に拡大や疑似パンなどが可能になるので、撮影時は4Kで撮影し書き出しをHDにするクリエイターは多いです。
プレミアプロなどを使用すれば編集で手振れを軽減もできますが、撮影時から手振れを極力抑えることができればより綺麗な動画が作成可能です。
手振れ補正機能に特にこだわる人は、超小型ジンバルカメラについてレビューしている以下の記事もご覧ください。
HLG(PP10)撮影ができる
「RX100M7」はHLG(ピクチャープロファイル10)での撮影が可能です。
「RX100M5A」以前の機種はPP10あたるHLGでの撮影は出来きません。
「HLG」はHDR(ハイダイナミックレンジ)の規格の一つで「Rec709」と「Log」のハイブリッドになります。
HLG撮影ができるのとカラーグレーディングがラクになって良いね!
「HLG」はSDRテレビと互換性のあるガンマカーブを持っているので、再現性を重視するwebでのコンテンツ配信や映画などの映像作品に向いており今後需要は増えそう。
HLGについては「a6600」のレビューでも解説しています。
マイク端子搭載
外部マイクを使用することで風切り音を防いだり、よりクリアな音声で収録できます。
音質にこだわりたい人向けの要望にも答えた形になります。
風切り音については内部マイクにウインドジャマーを取り付けることで軽減も可能です。
ソニーのカメラは総じてマイクの音質が良いので、個人的にはそれほど気になりません。
「RX100M7」と「RX100M5A」を比較
「RX100M7」は基本的に「RX100M6」を踏襲しているので、私が所有しているカメラ「RX100M5A」と「RX100M7」を比較してみます。
「RXシリーズ」を踏襲して更に進化したVLOG特化カメラ「VLOGCAM ZV-1」の記事はコチラ☟
RX100M5Aの焦点距離は短いが使い勝手よし
「RX100M5A」の焦点距離は24mm-70mmと広角から中望遠の焦点距離で、レンズの交換できないコンパクトデジカメとしては若干短めです。
例えばお子さんの運動会や発表会、スポーツ観戦など遠目から狙わないといけない場合は少々不満が残ります。
ちなみに子供がバスケットの試合でダンスをしたときに、「RX100M5A」で2階席から撮影した時は70mmの焦点距離では全然足りませんでした。
反面、日常のスナップ写真には最適です。
中望遠は人物スナップにはちょうど良い焦点距離でAFも0.05秒と申し分ない速さで瞳AFも良好。
動く被写体にピントを合わせ続ける「ロックオンAF」を搭載しているので、被写体の追尾性能も良好で高精度なピント合わせが可能です。
「RX100M7」のように動画撮影時にも対応する高精度のリアルタイムトラッキングは搭載していませんが、充分の性能を兼ね備えています。
F1.8のツァイスレンズ搭載は魅力
「RX100M5A」の最大の特徴と言ってもいいのは、F値の明るさです。
F1.8(ワイド端) -2.8(テレ端)の明るいツァイスレンズなので、「RX100M6」や「RX100M7」以上にボケのきいた撮影が楽しめます。
さらにF1.8のレンズのおかげか内臓NDフィルター(ND4)を搭載(「RX100M6」や「RX100M7」は非搭載)。
NDフィルターは昼間の動画撮影に必須ともいえるから、ボディ内に内臓されているのは嬉しいね。
「RX100M6」や「RX100M7」ユーザーの方は、専用のNDフィルターがサードパーティから用意されているのでこちらでも対応可能です。
コストパフォーマンスがかなり高い
価格については圧倒的にメリットがあります。価格.comの最安値で比べました。
- 「RX100M7」 137,932円(税込)
- 「RX100M6」 105,998円(税込)
- 「RX100M5A」 81,954円(税込)
- (2019年9月19日現在)
実に56,000円という大きい差があります。
この差はオズモポケットやGO PRO HERO7が楽々買えてしまうぐらいの値段差です。
もちろん「RX100M7」 には動画撮影の無制限化やAFの向上、マイク端子の追加、手振れ補正強化と「RX100M5A」にはない魅力的な機能がありますが、それ以外はほぼ同等の性能といえます。
これらの進化点に56,000円差の価値があるかどうか、の判断になるよね。
「RX100M7」に乗り換えた方が良い人は?
では「RX100M5A」から「RX100M7」に乗り換えるメリットがある人はどのような人なのか、「RX100M5A」所有者の私の目線で考えてみます。
HLG撮影が必要かどうか
HLG撮影の必要性は、人によっては買い替えの動機になるでしょう。
例えば私の場合、普段動画撮影の際にはS-Logを使用しています。
映像編集や動画配信を今後強化していきたいけど、HLGで撮影できるカメラを持っていない人にとっては、HLG撮影を搭載するRX100M7は買い替えの大きな魅力になり得ます。
逆にスチール派の方や既にHLG撮影可能な機材を所持している人には買い替えの動機になりにくいです。
30分制限がないのはかなり魅力的
メモリーとバッテリーが続く限り撮影できると言う点も「RX100M7」への大きな買い替えの動機になります。
「RX100M5A」の場合、特に4K撮影は5分しか撮れないため4Kの常時運用は難しいです。
自分の場合メインカメラも時間制限があるので、買い替えで時間制限なしの環境を得られるのはデカい。
下取り+の差額金額
「買い替え」の定義を「下取り価格に不足金額をプラスして購入する」と考えるとどうでしょうか。
ワンプライス買取りをされているマップカメラで調べてみました。
ちなみにワンプライス買取とは、付属品に欠品がなく動作に問題がない対象品に限り、マップカメラの買取上限価格で買取をしてくれるサービスです。
さらに下取交換で買取価格が更に10%アップという嬉しい仕様となっています。
このサービスを利用して「RX100M7」 の購入を検討してみましょう。
2019年9月19日時点での「RX100M5A」の買取価格は以下のような結果でワンプラス買取で56,000円でした。
この買取価格を下取り適用して「RX100M7」を購入しようとした結果がこちら。
差額支払いは78,790円で、安心サービスを追加した場合は85,837円になります。
約8万円の差は微妙(笑)。「RX100M5A」を買って1年経ってないからちょっと考えてしまう。
このようにマップカメラは、購入カートで下取りに出すワンプライス買取価格を反映してくれるので、差額の支払金額もすごくわかりやすいです。
皆さんならこの差額金額で購入されるでしょうか。
所持するメインカメラで買い替えが決まるかも
結局「RX100M5A」にない新機能をどれだけ必要とするかという事になります。
RX100以外にメインカメラを別に所持していれば買い替えの必要はないという印象を受けました。
私の場合メインカメラの「a6500」を「a6400」や「a6600」と入れ替えの方が安くつきそうです。
まとめ:SONY「RX100M7」は素晴らしいパフォーマンスを持つコンデジ
今回は「RX100M5A」と「RX100M7」を比べるという少しニッチな内容でしたが、検討の結果、私は「RX100M5A」を引き続き使用することにしました。
一番多い検討は「RX100M6」から「RX100M7」へ乗り換えですが、「RX100M5A」と「RX100M6」の下取り価格も売価ほど差はないので乗り換えは割高です。
ただし「RX100M7」は本当に素晴らしいパフォーマンスを持った最強のコンデジカメラである点は疑う余地がないので、今から購入したい方であれば「RX100M7」を購入することをオススメします。
今回は以上になります。
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