用途③ ワンランク上の綺麗な動画を撮りたい!
ミラーレス一眼カメラという選択
「ZV-1」などの高級コンデジでもかなり綺麗な映像は撮れますが、シネマチックな映像作品などを撮影したいという人はミラーレス一眼カメラへのステップアップを検討しましょう。
ミラーレス一眼カメラはセンサーのサイズによって主に3種類に分かれます。
- フルサイズ
- APS-C
- マイクロフォーサーズ
3つのセンサーサイズの大きさの比率を表すと以下のような感じ。
ちなみに1インチ型は前述の「RX100シリーズ」や「ZV-1」などのコンパクトデジタルカメラ、1/2/3型は「GoPro」などのアクションカムで一般的に採用されているセンサーサイズです。
フルサイズセンサーを搭載したカメラが一番光を取り込む力が大きく解像感と暗所性能はダントツですが、問題なのは価格。
フルサイズはプロカメラマンやハイアマチュアが使用するので安くて20万円以上、高いものだと40万円以上。レンズも10万円以上のものがほとんど。
当然予備バッテリーなどの周辺アクセサリーも高くなりがちです。
というわけでおいそれと買える金額ではないです。
それでもミラーレス一眼カメラで綺麗な映像を作ってみたい、という人にピッタリなのがミラーレスの中でも「APS-C」センサーを搭載したモデルです。
APS-Cがステップアップに最適な理由
そんな訳で、APS-Cのメリットを紹介します。
- 本体が安い(約10万円〜20万円まで)
- レンズが安い(約2万円〜6万円)
- フルサイズに比べて軽くて小さい
カメラの大きさはセンサーサイズの大きさに原則比例し、それに伴いレンズもセンサーサイズに応じて大きく重くなります。
カメラを扱う上で「軽くてコンパクト」というのは正義で、いくら高画質でも重くて取り回しが悪いとそもそも撮影のモチベーションを維持するのが難しかったりします。
フルサイズカメラの場合、ボディとレンズで1kgをゆうに超えてくることも多いので持ち出すのが億劫になることも。
私はAPS-Cカメラもフルサイズカメラも所有していますが、普段使うのは圧倒的にAPS-Cカメラです。
スペックで言うと絶対的にフルサイズカメラの方が上ですが、動画撮影の場合フルHD撮影か4K撮影なので、画素数的に言えばどちらのサイズでも十分(FHDは200万画素、4Kで800万画素)。
つまり、APS-Cのミラーレス一眼でもフルサイズと同等レベルの動画撮影は可能なんです。
これがステップアップにはまずAPS-Cを勧める理由です。
ボケ感などの違いは多少あるけど、動画だけ見せられたら区別がつかないぐらいクオリティが高い作品も多いです。
両者の違いが一番出るとすれば印刷をする場合。
確かにフルサイズはAPS-Cよりも画質やボケ味、階調の豊かさは上ですが、今の時代、パソコンやスマホなどのデジタルデバイスで見る機会がほとんどではないですか?
少なくとも私はほぼPCやスマホでの閲覧なので、家にはプリンターすらないです。
以上からも、ミラーレス一眼カメラをまず使うならAPS-Cサイズが良いのです。
APS-Cで動画撮影に最適なカメラ
では実際に、APS-Cのミラーレス一眼で動画撮影に向いているカメラを紹介します。
ソニー α6000シリーズ
APS-Cミラーレスといったらまず大本命がソニー「αシリーズ」。
ソニーはオートフォーカスが爆速で4K動画も撮影可能な上、レンズラインナップも他のメーカーより豊富なので自分の好きな画角を作りやすいです。
2021年1月現在、買うなら最上位モデルの「α6600」かエントリー〜中級モデルの「α6400」で決まりでしょう。
「α6600」の詳しいスペックを知りたい方は下記の記事を参考に。
「α6400」は10万円前後とコスパ抜群ですが、手振れ補正機能が非搭載なので、レンズで手振れ補正機能があるものを選びましょう。性能は申し分なしです。
あと旧モデルではありますが、バリバリに現役で使える「α6500」も狙い目。
「α6600」と「α6400」のモニターが自撮り対応なのに対して、「α6500」はモニターが自撮対応していない弱点はありますが、手振れ補正機能も搭載していて値段も10万円前後と、コスパと性能のバランスが良いです。
「α6500」は私も最近までメインカメラとして使用していました!
私がα6500で撮影した動画もYouTubeにアップしていますので参考まで。
▶︎ソニー ミラーレス一眼カメラ「α6600」
安く抑えたい人は「α6400」「α6500」でも全然OK。
▶︎ソニー ミラーレス一眼カメラ「α6400」「α6500」
FUJIFILM X-S10
2020年11月に発売されたFUJIFILMの「X-S10」は、APS-Cの中では今イチ推しのカメラ。
とにかく小さくてコンパクトながらソニーの「αシリーズ」と同等以上の性能を備えていて、特に手振れ補正機能は「αシリーズ」より上です。
本体価格も最新機種にも関わらず12万円弱と大変お買い得。
さらに1万円ほど足せば、写真のキットレンズまで付いてくるというあり得ないコスパ感!
しっかりと最新機能を押さえつつ、FUJIFILMの最大の特徴「フィルムシュミレーション」という様々な色味を再現できる機能が嬉しいです。
少し高くなりますが、予算があるならば上位モデルの「X-T4」も間違いないです。
▶︎FUJIFILM ミラーレス一眼 X-S10レンズキット
▶︎FUJIFILM ミラーレス一眼 X-T4ボディ
用途④ 本格的に動画制作を学びたい!
フルサイズという選択
APS-Cの説明で図解したように、フルサイズセンサー搭載のミラーレスが理論的には一番描写力の高い動画撮影が可能ということになります。
- 高い描写力
- 階調が豊か
- ボケ味の醍醐味が楽しめる
- 夜間撮影に強い
以上のメリットを考えると、誰もがいつかはフルサイズのカメラを手にしたくなるのも頷けます。
ただしフルサイズは映像のクオリティを第一に優先するのでカメラ本体やレンズは必然的に大きく重く、そして高価になることを理解してください。
またフルサイズ用のレンズは、安くても10万円前後、高いものになると25万円以上するものもザラにあります。
フルサイズを選ぶ場合はそれなりの予算と覚悟が必要ということです。
APS-Cを押す私自身も、結局フルサイズデビューしてしまいました。値段と重さに変えられない所有感と満足感があるのは確かです。
フルサイズは排熱との戦い
フルサイズは、主に以下の4つのメーカーになります。
- NIKON(Zシリーズ)
- CANON(Rシリーズ)
- SONY(αシリーズ)
- Panasonic(Lumix Sシリーズ)
ちなみにPanasonicはフルサイズを発売したのはここ2年ぐらいで、APS-Cで紹介したFUJIFILM、そしてオリンパスなどはフルサイズ未発売です。
フルサイズ機は、センサーサイズの大きさから動画撮影時の排熱処理が問題になります。
発熱が大きくなると熱暴走を起こして一時的に撮影ができなくなってしまうので、各メーカーの発熱対策もフルサイズを選ぶ際のキーポイントです。
フルサイズのカメラは、ユーザーだけでなく開発側もそれだけハードルが高いということかな。
紹介した4メーカーの中で一番熱対策に力を入れているのはPanasonicで、上位モデルではカメラ本体に冷却用ファンを取り付けるなどの対策をし、撮影時に絶対に熱暴走させないという意思を感じます。
個人的には熱に一番強いのはPanasonic、ついでソニー、というイメージです(あくまで個人的感想)。
フルサイズで動画撮影に最適なカメラ
私のフルサイズミラーレスで動画撮影におすすめはズバリ、ソニーとPanasonicです。
α7III(α7C)
ソニーのフルサイズミラーレスといえば「α7 III」です。
2018年に発売以来、多くのユーザーがメインカメラとして使用されている「α7 III」ですが、このカメラの登場でAPS-Cからフルサイズに移行した人も数多くいるのは間違いないでしょう。
「α7 III」の凄い点はなんといってもバランス力。
静止画も動画もそつなくこなし、素晴らしい描写力を見せます。
▶︎EMPTY| Sony A7III 4K Test
これといった弱点が見当たらない名機。カメラ業界を変えた歴史に残る1台だと思う。私も購入しました!
ソニーのフルサイズミラーレス用のレンズラインナップもここ数年で充実してきたのも手伝爆発的に売れています。
2020年10月には「α7 III」とほぼ同等の性能で、バリアングルモニターを搭載しつつ「α7 III」よりもコンパクトになった「α7 C」も登場し、フルサイズ市場はますますソニーの独壇場となっています。
▶︎SONY ミラーレス一眼 α7IIIボディ ILCE-7M3
▶︎SONY ミラーレス一眼 α7Cボディ(ブラック) ILCE-7C
α7S III
「α7S III」もソニーのフルサイズカメラで2021年1月現在、最新かつ最高スペックの動画用カメラと言えます。
「α7III」との違いはその画素数で、「α7III」が約2400万画素なのに対して「α7S III」は約1200万画素。
一見「α7III」の方が画素数が多く高性能に感じるかもですが、実は同じフルサイズなら画素数が少ない方が高感度、つまり暗所性能が上で、「α7S III」は暗所で脅威の描画力を発揮します。
▶︎Behind the Scene | Alpha 7S III |
「α7S III」はあえて画素数を低く設定してあり、それによって高感度を実現。「α7III」以上に暗いシーンや夜間撮影でもノイズを抑えたクリアな動画を撮影することが可能です。
静止画と異なり照明が焚けない場面も多い動画では高感度なカメラほど暗いシーンでは有利に。
画素数が低いので、写真には使えないかというと、そうでもありません。
一般的なA4サイズぐらいの印刷なら1200万画素あれば十分で、スマホやPCなどのデジタルでの閲覧なら全く問題ないです。
因みに本体価格は約40万円と「α7III」の倍ほど。
Lumix S5
LUMIX S5は2020年9月末に発売されたパナソニックの最新フルサイズミラーレスカメラです。
すでに上位モデルで「S1H」という動画撮影に強い機種が発売していましたが、発熱対策の冷却ファンを搭載しフルサイズ機の中でも特に大きく重いためユーザーから敬遠されていた中、このコンパクトなS5が発売されました。
4K60fpsで撮影可能など動画機として「α7 III」を超える性能を持ち「α7S III」とも戦える程のスペックを持ちながら20万円前半というコスパを実現。
私も「a7 III」と「LUMIX S5」でどちらを買うか相当悩みました。。
パナソニックの弱点はオートフォーカス。
といってもソニーの正確かつ爆速のオートフォーカスに比べるとなので普通に使えますが、ソニーのAFに慣れている人には不満かもしれません。
▶︎ルミックス S5 映像作品 Osamu Hasegawa『Soul of Tokyo』Behind the Scenes 【パナソニック公式】
オートフォーカスを除けば、ほぼ同じ値段帯の「α7 III」を上回るスペックなので、今後ゲームチェンジャーになりえる良いカメラです。20万円を切ると更に爆発的に売れそうな気がします。
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