RICOH GRⅢxは一眼レフ並みの高画質をコンパクトなボディに凝縮したカメラとして大人気で、2024年3月にはそのあまりの人気ぶりから生産が一時停止に。
中古市場でもプレミア価格で取引されるなどの盛り上がりを見せていますが、ようやく再生産開始でこの度私もようやく手にいれることができました。
この記事では、実際にRICOH GRⅢxを使って感じた魅力について語りたいと思います。
GRⅢxの印象について正直に語りるので、購入を検討している方の参考になれば幸いです。
最強のスナップシューターGRⅢx
RICOH GRⅢxは、一眼レフやミラーレスカメラで使用されるAPS-Cサイズという大きいセンサーを搭載したコンパクトデジタルカメラ。
そのサイズはスマホより小さく軽量かつ起動もめちゃくちゃ早いので、日常の気になる瞬間をサッと撮れる最強のスナップシューターです。
またレンズもF値2.8と明るく高性能で、ミラーレス一眼カメラ並みのボケ感を楽しめるカメラでもあります。
先に販売されたGRⅢとの違いはほぼ画角のみで、GRⅢが28mmと広角よりなのに対して、GRⅢxは40mm(35mm換算)と標準に近い画角になっています。
実際に僕はこのGRⅢxを購入してからというもの、通勤や休日問わず外出の際に必ず持ち歩いています。
GR3xの主なスペック
主なスペックは以下のとおりですが、画角以外はGRⅢとほぼ同じと考えてよいでしょう。
ちなににGRⅢの画角は28mm(35mm換算)、GRⅢxは40mm(35mm換算)です。
項目 | 詳細 |
---|---|
本体サイズ | 約109.4(幅)×61.9(高さ)×35.2(奥行)mm |
重量 | 約262g(バッテリー・SDメモリーカード含む)、約232g(本体のみ) |
レンズ構成 | 5群7枚(非球面レンズ2枚) |
焦点距離 | 約40mm(35mm換算) |
F値 | F2.8~F16 |
撮像素子 | 23.5mm×15.6mm(APS-C) |
有効画素数 | 約2424万画素 |
感度 | ISO100~102400:オート(下限値/上限値/低速限界値設定可能)、マニュアル |
シャッタースピード | 1/4000~30秒 (絞りによる制限 F2.8:1/2500秒まで、F5.6以上:1/4000秒まで)、 バルブタイマー(10秒~20分)、バルブ、タイム |
手ぶれ補正 | 撮像素子シフト方式 (Shake Reduction)(3軸補正) |
静止画 | ファイル形式:RAW (DNG) 14bit、JPEG (Exif2.3準拠)、DCF2.0準拠 色空間:sRGB、AdobeRGB 記録サイズ:【3:2】L(24M:6000×4000)、M(15M:4800×3200)、S(7M:3360×2240)、XS(2M:1920×1280)、【1:1】L(16M:4000×4000)、M(10M:3200×3200)、S(5M:2240×2240)、XS(1.6M:1280×1280) |
動画 | ファイル形式:MPEG4 AVC/H.264 (MOV) 記録サイズ:Full HD (1920×1080、60p/30p/24p)、 音声記録:内蔵ステレオマイク 記録時間:最大4GBまたは最長約25分、内部温度上昇時は自動終了 |
記録媒体 | 内蔵メモリー(約2GB)、SD/SDHC/SDXCメモリーカード(SDHC、SDXCメモリーカードはUHS-I規格に対応) |
電池寿命 | 撮影可能枚数:約200枚再生時間:約180分 |
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GRⅢxの良い点
RICOH GRⅢxを購入して約1か月ですが、ほぼ毎日使用して感じたGRⅢxの良い点をお伝えします。
わずか0.8秒で起動する速写性能
日常生活で「今この瞬間を写真に収めたい!」って場面に出くわすことありますよね。
でも通常のカメラだとそう思ってから起動するのに1秒〜数秒かかってしまい、シャッターチャンスを逃してしまったという経験は誰しもあるかと思います。
スマホにしたって携帯性は抜群ですが、カメラ起動にはわりと時間がかかりますよね。
その点、GRⅢx(GRⅢ)は電源をONにしてからわずか0.8秒で起動するので、あ、今だと感じた瞬間に瞬時に瞬時に起動してシャッターを押せます。
しかもピントを気にせずシャッターを切れるモード(通常のカメラはピントが合わないとシャッターが切れないものも多い)もあるので、まさに速写性でGRⅢシリーズに敵うものはいません。
日常の瞬間を逃さず切り取れるのがGRⅢシリーズです。
センサーサイズが大きく高画質
GRⅢx(GRⅢ)は驚くほどコンパクトなボディなのに搭載しているセンサーはAPS-Cという通常コンデジでは搭載しない大きなサイズ。
一眼カメラ並みに大きいセンサーなので通常のコンデジと比べて光を取り込む力も強く、高感度時でもノイズを抑え美しい写真を手軽に撮ることができます。
そしてセンサーが大きくなると撮影時により手ぶれしやすくなりますが、GRⅢx(GRⅢ)には手ブレ補正機能もしっかりあるので安心して撮影できます。
普通のコンデジであればセンサーサイズは大きくても1インチなのでこのサイズのセンサーが載るのは通常ありえないです。
初心者でも扱いやすい標準画角
GRⅢxが採用している40mmという焦点距離は、ポートレート写真やストリートスナップに最適で、高性能のレンズも相まってシャープな描写と自然なボケを楽しめます。
またクロップ機能(ズーム機能)があるので、単焦点ながら40mm、50 mm、71mmと三つの焦点距離で楽しむことが可能です。
●クロップズームによる画角の違い
シンプルなデザインと操作性
デザイン性を重視したシンプルなボディに必要な機能だけを凝縮しているので、カスタムボタンなどは決して多くないですが必要にして十分。
よく使用するボタンについてはカスタムボタンに設定すればいいし、自分好みの撮影状況(シャッタースピード、F値、ISOなど)も3つまで事前に設定が可能でダイヤルボタン一つで呼び出せます。
このあたりはソニーのミラーレスに近いUIだと感じました。
またワンタッチで写真から動画モードに切り替えも可能です(ただしGRⅢxはお世辞にも動画性能が高いとは言えないですが)。
このようにGRⅢxはデザイン性も高くファッションアイテムとしての持ち歩くのも楽しくなる一台です。
ポケットに入るコンパクトで軽いボディ
GRⅢx(GRⅢ)の一番の特徴といえるのがポケットにも入るコンパクトさです。
他のカメラと比べると一目瞭然で、なんならアイフォン15 proより小さいぐらいです。
ボディが小さいのでもちろん重量も200g台と軽く、ミラーレス一眼でいうかなり軽い部類の単焦点レンズより軽いか同じくらいなので、本当にいつでも持ち運び可能です。
ミラーレス一眼をすでに所有されている方なら共感できると思いますが、いくら解像度の高いが画像が撮れても、大きくて重いカメラをいつも出すことはメンタル的にもほぼ不可能。
持ち出すことを諦めてしまい撮影体験を逃すということになります。
イメージコントロール機能でフィルムライクやモノクロ写真
シンプルさが売りのGRⅢx(GRⅢ)ですが、クリエイティブ部分については決して手を抜いていません。
富士フィルムのカメラには有名な「フィルムシュミレーション」という多彩な色表現の機能がありますが、GRⅢシリーズにも同様に様々な色表現が楽しめるイメージコントロールという機能を搭載。
自分の好みの設定で撮影ができるので撮影の幅が広がります。
イメージコントロールは全部で11種類のルックがあり、特に3種類あるモノクロのモードは、GRⅢシリーズならではの深みのある写真を体験することができるのが嬉しいです。
加えてカスタムモードでは自分で調整した色味をオリジナルルックとして登録可能です。
個人的にはポジフィルムモードがお気に入りです。
スナップ距離優先モードで適当スナップが可能
GRⅢx(GRⅢ)の速写性の良さは前述しましたが、それと相まって便利なのがフルプレススナップモード。
フルプレススナップモードをオンにすると、シャッター半押しでフォーカスを合わせることなくいきなりシャッターを切ることができます。
「え?それだとピンボケにならないの?」という疑問はもっともですが、このGRⅢシリーズではフルプレススナップモードをオンにすることで、ピント合わせなしに自動でフォーカスを合わせる距離を事前に決めておけるのです。
これにより通常のシャッター半押しでのピント合わせがいらず、いきなりシャッターを押し込んでも事前に設定した距離にピントがあった写真が撮れるという原理。
ピントを合わせている暇がないような決定的瞬間でも撮り逃さず撮影ができるのは嬉しいの一言です。
GRⅢxのイマイチな点
次に使用していて気になった点もお伝えします。
価格が高い
他に類をみないAPS-Cセンサーを搭載した高画質なコンデジなので多少高価になるのは当然ですが、それにしても最近のGRⅢx(GRⅢ)は価格が高すぎ。
人気すぎて生産が追いつかず、ついには生産停止になったのもあり数ヶ月間の間、GRⅢxとGRⅢは買いたくても買えない状態が続きました。
2024年夏にようやく生産を再開しましたが、現在はミラーレス一眼も買えるぐらいのプレミア価格になっています。
元々の価格では12万円~13万円代(それでも十分高いが)でしたが、しばらくは中古でもなかなかこの価格で手に入れるのが難しいかもしれません。
ただし待っていても撮影体験の機会を逃すだけ。GRシリーズが欲しいなら買ってしまうべきだと思います。
バッテリーの駆動時間が短い
コンパクトなボディの代償としてバッテリーが小さいため、駆動時間や撮影可能枚数にやや不満があります。
実際に1日使ってみたバッテリーの持ちについては、youtubeアカウント「小さいカメラがある暮らし」さんが検証されています。
動画内の実験では常時電源ON状態で1時間10分、125枚撮影ができたということですが、僕の場合は自スリープまでの時間を短くしたり、一定期間触らなければ自動でオフ設定にしているので、もっと長く使える印象です。
どうしてもバッテリーの駆動時間が気になる方は、長時間の撮影や旅行時には予備バッテリーを持ち歩くことをおすすめします。
オートフォーカスが迷いがち
オートフォーカスはお世辞にも早いとは言えませんがそれはソニーなどの超高速のAFと比べれば、というレベルの話で日中昼間にスナップで使う分には特に困りません。
ただし特に夜は迷いがちなので、街灯などの光がある付近で撮影するなどの工夫が必要です。
防塵防滴でない
お手軽街撮りカメラなので当然といえば当然ですが、防塵防滴には非対応です。
なので雨の日の外出の使用や埃の多いような環境では注意が必要で、特にレンズ周りにホコリが入りやすいです。
気になる方は液晶保護フィルムとあわせて、両面テープ式のレンズプロテクターが販売されているので購入して装着しておくと安心です。
僕も毎日持ち歩いていて気になったので、速攻で購入しました。
動画はフルHDのみで4K撮影不可
GRⅢシリーズはあくまでスチール撮影がメインのカメラなので、動画撮影自体は可能ですがフルHDまでで今のカメラの主流である4K撮影はできません。
ただし個人的には動画はiphoneで撮ったり、しっかりとした作品撮りをするときはミラーレス一眼を使うのでGRⅢで動画撮影をする機会はほぼなくデメリットとすら感じていません。
写真に振り切ったカメラと考えてよいのではないでしょうか。
GRⅢxはどんな人におすすめか
ハイアマチュアカメラマンである私の目線で、GRⅢx(GRⅢ)はどんな人におすすめできるかを整理してみました。
- とにかく日常の瞬間をすばやく切り取りたい人
- カメラ理論はよくわからないけどエモい写真を撮りたい人
- オシャレの一部としてカメラを持ちたい人
スマホ写真ではなんだか物足りないという人や、とにかく高画質でエモい写真をスタイリッシュに撮りたい人にとっては十分に投資する価値のあるコンパクトデジカメです。
僕も購入して本当に良かったと実感しています。
GRⅢx作例
実際にGRⅢxで撮影した作例をいくつか紹介します。
とてもコンデジとは思えない解像感じゃないでしょうか。
GRⅢシリーズのモノクロ写真の描写力には定評がありますが、いざ自分で撮影してみるとその緻密な再現力には驚きました。
GRⅢXの40mmという画角は気に入っていますが、やっぱり28mmのGRⅢも欲しくなってきますね。
いつかは28mmのGRⅢと40mmのGRⅢxの2台持ちを実現したいです。
まとめ
RICOH GRⅢxを購入してからというもの、ミラーレス一眼を持ち出す機会が極端に減ってしまいました。
これは今までミラーレス一眼でしか撮れないクオリティに近いか、同等レベルの写真が片手でバシバシ撮れてしまうGRⅢxのクオリティの高さのせいです。
高画質で40mmという絶妙に使いやすい画角、そして色味。
どれを取っても期待に見事に応えてくれる満足度の高いカメラで、もはや手放すことは出来ないスナップシューターとしての最強の相棒が誕生してしまいました。
購入できる機会がありましたら、皆さんもぜひ迷わず購入することをお勧めします。